【兵庫髷・兵庫曲】ひょうご‐わげ (まげ)
髪を頭頂の後ろに集め、高く輪に結って根元をねじ巻いて頂上に突き出させたもの。
摂津兵庫の遊女から起こるという。慶長(1596~1615)以来広く行われ、のち遊女の間に横兵庫・
立兵庫などが流行。
【勝山】かつやま 勝山髷。勝山結び。
女の髪の結い方。髪を後頭部で束ねて末を細くし前へ曲げ大輪を作ったもの。横から笄こうがい
(髪飾りの一種)を挿す。
江戸初期、承応・明暦の頃、吉原の遊女の勝山が結い始めたものという。のちこれから丸髷まるまげが
生じた。
【島田髷】しまだ‐わげ (まげ
(島田の遊女の結い始めたものといい、また、寛永(1624~1644)頃の歌舞伎役者 島田万吉または
花吉・甚吉の髪の風から起こるとも、あるいは「しまだ」は「締めた」の転訛ともいう)女の髪の結い方。
時代により変化したが、前髪・鬢びんを張り出し、髷の中ほどを元結で締めて撥ばちの形にするなどの
結い方がある。主に未婚の女が結う。また、婚礼に結う風習となっている。
高島田・文金島田・つぶし島田・投げ島田・奴島田など、種類も多い。
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笄こうがい
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【唐人髷】とうじん-まげ
江戸末期から流行した少女の髪の結い方。桃割れと銀杏返しを一緒にしたような形で、中央の元結
もとゆいをかける所を
髪で十文字にかけたもの。
【桃割れ】もも‐われ
16、7歳位の少女の髪の結い方。左右に髪を
分けて輪にして後頭上部で結び、鬢びんを
ふくらませたもの。明治・大正期に行われた。
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【銀杏返し】いちょう‐がえし
女の髪の結い方。髻もとどりを二分し、左右に
曲げてそれぞれ輪を作り毛先を元結で根に
結んだもの。
江戸中期から行われ、明治以降は中年向きの
髪型となった。
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【達磨返し】だるま-がえし
女の髪の結い方。髪をひねって髱
たぼの中に押し入れ簪
かんざしで止めたもの。
江戸の粋人の年増に多く行われた。
藤間京之助 オフィシャルHP 『ステキ日本髪・本館』 http://www.geocities.jp/kyonosuke_f/sutekinihongami.html
川柳 発祥は大坂。 川柳から見る江戸での嫁の立場 嫌な女房番付
『皇都午睡』三編
「自由の足る中に自由なるを江戸に限って値の安き物は湯と髪月代なり、他に安き物を云えば…」
「江戸前結床は別に安いと云は丁寧なり、首筋耳の穴まで細き剃り刀にて自在に剃なり…」
江戸は魚が大坂より3~4割高く他の物も高いが、銭湯代と髪結い代は安い。
江戸の髪結い代は安いといえど非常に丁寧である。垢もフケも無いようにまですき、油を付けてすき結う。
上方の髪結い代とは雲泥の差があるので、上方も安くあるべき…。文は男の髪型に続く。
江戸は空っ風が舞うので、毎日風呂に入らないといけない。などの事も書かれてあります。
江戸庶民は土方や大工職人など汗を書いたり汚れたりする職業の人も多かったようです。
江戸は屍臭と小便臭が漂う日本一の激臭Cityだった 糞尿処理、文献による考察から、京・大坂が最も清潔だった
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毎日放送 ちちんぷいぷい 『きょうの☆印 「兵庫県立歴史博物館 ミニチュア展」』 15.04.30 放送
≪ 江戸時代の男の髪型も色々あった ≫
『
皇都午睡』三編
上記の髪結いの続き
上方も安くあるべきだが、男は時々流行の髪型があって一概には言えない。
武家は色々と古風な髷もあるが、(江戸) 町人はほとんどが銀杏ばかり、上方の如く丸髷二つ折りなど見当たらない。
「
上方にても今のんこという髷珍しく江戸に本田髷は屋敷方に適々見受ける計り也」
兵庫県姫路市の県立歴史博物館で「美似
ミニ the NIPPON」と題して、大阪のフィギュアメーカー海洋堂に収蔵された生活
用品のミニチュア・コレクション250点の展示会が~15年6月14日まで開催されました。
ミニチュアで再現された江戸時代の商店の看板、髪型、農機具や職人の道具類から昭和時代のものまで展示されてた
そうです。
日本テレビ ザ!鉄腕!DASH!『DASH島&DASH海岸 海スペシャル』 13.12.08 放送 など より
≪ 江戸時代の整髪料 ≫
【鬢付け油】びんつけ‐あぶら
髪油。菜種油などと晒木蝋
さらし-もくろう(脱色したハゼノキの果皮から採った脂肪でロウソクなどの材料にもなる)に
香料をまぜて製した固練りの油。主に日本髪で、おくれ毛を止め、髪のかたちを固めるのに用いる。固油。
【伽羅の油】きゃら‐の‐あぶら
鬢付け油の一種。もと、ロウソクの溶けたものに松脂
まつやにを混ぜて練ったもの。
のちには大白唐蝋・胡麻油・丁子・白檀・竜脳などを原料とした。
正保・慶安(1644~1652)の頃、京都室町の髭の久吉
ひさよしが売り始めて広まった。
【真葛】さね‐かずら。ビナンカズラ。サナカズラ。
名マツブサ科の常緑蔓性低木。山地に自生、また観賞用にも栽植。葉は厚く光沢があり、長楕円形。
初夏、葉腋に淡黄色の花を開く。秋、美しい紅色の実を多数球状につけ、漢方生薬五味子
ごみしの代用とした。
別称、
美男葛びなん‐かずら。 茎の粘液は製紙用または
鬢付油の材料。
≪京都市東山区 安井金比羅宮 櫛祭くしまつり ≫ 古代~現代までの女性の髪形を再現。
1961 (昭和36) 年に、京都市内の美容関係者らが、櫛に感謝し供養することを目的として櫛塚を建立し始めた祭。
2014年で54回目。毎年9月の第4月曜日開催。
古墳時代~現代までの様々な髪形を結い上げた40人あまりの女性らが、東山区の安井金毘羅宮の境内で式典をした後、
祇園周辺を練り歩きます。
櫛祭り・京都・写真集HP http://kimagurecp.kitunebi.com/komagaisameba/kushimaturi.html
動画 → 安井金比羅宮 櫛まつり 時代風俗行列 2012年 http://www.youtube.com/watch?v=ehl3zAZkR2A